既にご開業の方
事業計画の見直し
予算と実績との乖離の原因を把握し
もう一度事業計画の精度を確認
活用できる形へ更新します
医療機器類の買換えについて
開業当初に立てた事業計画と、経過した期間の実績を比べてみてください。いかがでしょう。実績は、思い描いたとおりに推移しているでしょうか。開業当初に立てた事業計画の予算と実績に乖離が生まれているポイントを把握し、その原因を分析することで、適切な対応を講じることが可能になります。事業計画は、クリニック経営の羅針盤です。
予算と実績の対比をもとに対策を講じた結果、成功した事例を挙げておきます。
成功した事例
- 1.自由診療を中心とした診療を目指していたが思うように伸びず、開業後1年後に歯科専門のHP制作会社に依頼したところ自由診療収入が約2倍に増加した(歯科の例)。
- 2.診療単価が低いと税理士から指摘を受け、チェックしたところ請求が漏れているものが見つかった。
- 3.患者数の推移を見ながら資金計画の見直しを行ない、早めに銀行への情報開示を行うことにより資金不足を回避できた。または、金融機関に据置期間(半年→1年)の延長をお願いし、資金不足が回避できた。
- 4.院内処方で薬品費の比率が高かったため、在庫を定期的にチェックすることでコストダウンを図った。
- 5.患者の待ち時間短縮対策として電話予約システムを導入したところ、来院時間の分散を図ることができ、結果として患者数を減らさず待ち時間短縮が実現できた。
- 6.先生の顔を売るため、地域の諸々の会に参加し、そこでの講演の講師を積極的に引き受けたことで、患者数が増えた。
- 7.患者数は予想通りであったが、新患と再来患者を分けてみると、再来患者が少なかったので院内の雰囲気等を注目していると、スタッフの患者への対応が問題と判明したので、スタッフ教育を重視して、再来患者が増えた。
先生のクリニックでは、これらとは異なる問題が発見できると思います。
もしかしたら、そもそも予想が甘く、まったく役に立たないものだったと感じられるかもしれません。実際、目標患者数の3分の1くらいしか、患者が来なかったという例もありました。しかし、事業計画を立てていなければ、現状を把握することができませんし、クリニックに潜んでいる問題の発見が遅れてしまいます。
計画はそれだけ重要なものです。毎年見直して修正し、計画とズレが生じない円滑な運営を実現してください。ただし、一つだけご注意いただきたいのは、事業計画と乖離しているからといって、先生が当初からお持ちだったクリニックのコンセプトを簡単に曲げるべきではないということです。例えば、当初、高度な医療サービスの提供をお考えだった先生が、目先の患者数を増やすために、すぐに出来る一般的なサービスばかりを行うといったケース等です。もともとお持ちだった先生のコンセプトは、クリニックを経営していくうえで非常に大切なものです。ぜひとも貫きましょう。