最近の株高やインフレも相まって、弊社のお客様からも新NISAを使って資産形成をしたいとご質問をいただきます。今回はご質問をいただく中で勘違いが多い3つの点について解説します。

勘違い1：成長投資枠では積立ができない

新NISAでは、つみたて投資枠と成長投資枠の2つが設けられました。従来、同時併用できなかったつみたてNISAと一般NISAが実質的に統合され、非課税枠の範囲で併用が可能になりました。

このうち、成長投資枠について積立投資ができないという勘違いが目立ちます。実際には買い付け方法に制限はなく、投資信託などの積立も可能となります。

勘違い2：投資枠は売却直後に復活する

従来のNISAでは、使い切らなかった年間の非課税枠は繰り越すことができず、また資産を売却しても非課税枠は復活しませんでした。

一方、新NISAでは、つみたて投資枠と成長投資枠合わせて、上限1800万円の生涯投資枠が設けられました。この生涯投資枠は残高ベースで管理され、資産を売却して残高が減れば投資枠が復活する仕組みとなっています。

しかし、投資枠の復活は売却後の翌年となります。また、つみたて投資枠は年120万円、成長投資枠は年240万円の範囲でしか投資できないため、生涯投資枠が復活するからといって短期売買を繰り返せば、年間の投資枠をすぐに使い切ってしまうことにもなりかねませんので注意が必要です。

勘違い3：開設した口座は変更できない

新NISA口座の金融機関の変更は原則年1回可能です。しかし、金融機関を変更してもNISAで投資済みの資産は元の金融機関の口座に残り、新口座に移すことはできません。たびたび変更すると資産が分散して管理が煩雑になる可能性があります。

新NISAの制度をしっかり理解し、ご自身の資産形成に活用してみてはいかがでしょうか。