スタッフ定着への対策
2020年以降、転職希望者が増加傾向にあり、キャリアを考え直す人が増え、総務省の労働力調査によると25~34歳の5人に1人が転職希望者だといいます。また25歳までのいわゆるZ世代は将来を重視しチャンスがあればいろいろな職場で経験を積みたいと考えていると言われています。
スタッフ定着は医院経営の上で重要な課題ですが、対策は検討されていますでしょうか。
スタッフ定着のポイントのーつに福利厚生の充実があります。法定通りの福利厚生はもちろん、法定を上回る福利厚生を実施している事業所もあり、例えば短時間勤務制度の対象者の拡大、人間ドック費用の補助、慶弔休暇の見直し、記念日休暇の新設、ペット手当、奨学金返済支援、自己啓発の為の書籍購入や資格取得費の補助等があります。
また注目したいのが来春導入予定の給与のデジタル払いです。そもそも労基法では給与支払の原則として「賃金は原則、通貨で直接労働者にその全額を支払わなければならない」とあります。現金で手渡しが大原則となり、第2の方法としてスタッフの同意を得た場合は銀行口座への振込が認められています。今回のデジタル払いは第3の方法として注目されています。
また福利厚生で興味深いのはマイナビが来春卒業見込みの学生を対象に実施したアンケートで、福利厚生のうちレクリエーションに関する補助があまり重要視されていないという結果です。
社員旅行や飲み会等の社内イベントへの期待度は低く、それよりも個人の支援を重視するという結果に時代の流れを感じます。
若い世代だけではなく中堅も含めスタッフが何を望んでいるのか、今ある福利厚生が時代に即しているのか一度検証されてはいかがでしょうか。
そしてスタッフのために用意した福利厚生を求人の際のアピールポイントとして掲げ、良い人材の採用にもお役立て頂ければと思います。福利厚生を経費とする条件等は税理士にご相談ください。
令和4年12月1日 医療タイムス紙掲載