パワハラの相談を受けたら
職場のパワーハラスメント防止措置が義務化されてから、パワハラの対応についてご質問を頂くようになりました。
以下がパワハラ相談を受けた際の対応の流れになります。
◆相談を受けた場合の初動
事実関係のヒアリングを相談者・行為者・必要に応じて関係者から行います。注意点として、相談者が「行為者にわからないように対応して欲しい」と申し出た場合には、相談があったことを伏せて対応する必要があります。
◆ヒアリングのボイント
①相談者に、具体的に誰が何をしたのかを5W1Hで明確にして、ヒアリングを行います。
感情的になる場合が多く、客観的に事実関係を確認します。
②相談者に、LINEや録音など、客観的な証拠がないかを確認します。
③必要に応じて周辺の関係者にもヒアリングを行います。
④相談者から申し出のあった内容について、行為者からの事実関係を聞きます。
行為について認めた場合には、弁明の機会を与えます。
また行為者が相談者に報復をした場合には、懲戒処分の対象になることを必ず伝えておきます。
以上のヒアリングから、パワハラ行為の有無を判断します。
◆パワハラがないと判断した場合
当事者に誤解であると判断したことを説明し、再発防止を図ります。
◆パワハラがあると判断した場合
パワハラ対策委員会等を開催します。就業規則の定めに基づき、懲戒に値するか値しないかの判定や、再発防止策等を検討し決定します。行為者への懲戒処分の量刑は、バラつきがでてしまうのが実情です。社会保険労務士等の外部の専門家にアドバイスを受けるのも一つの方法です。
相談内容等に応じて、対応の仕方も変わってきますが、一つの例として参考にしていたければ幸いです。
令和4年9月20日 医療タイムス紙掲載