生命保険契約の照会制度
相続手続きのご相談で弊社に来社されるお客様の中で「亡くなった両親から生命保険に加入していると以前聞いたが、どこの会社のどんな保険か分からない」というお話を伺うことがあります。
このようなケースに使える「生命保険契約照会制度(以下、照会制度)」についてご紹介します。
照会制度とは生命保険協会が創設したもので、2021年7月1日から開始され、保険契約の存在が分からない場合、協会に依頼することで生命保険会社各社に契約の有無を照会できる制度です。
照会ができるのは、①照会対象者がお亡くなりになった場合②照会対象者が認知症等で認知判断能力が低下し、生命保険契約の存在が不明な場合のいずれかとなります。この制度を利用できるのは照会対象者の法定相続人やその代理人等となります。
あくまで確認ができるのは、照会対象者について照会日時点で有効に存在している生命保険契約の有無となります。生命保険契約の詳細な内容に関しましては、当該生命保険契約に基づく権利を有する方から生命保険会社に直接ご連絡をしていただく必要があります。
照会制度の利用をするには必要書類を準備の上、生命保険協会に郵送もしくはオンラインで申請します。費用は1回の照会につき3千円(税込)で、クレジットカードまたはコンビニエンスストアで支払うことができます。照会制度を利用することで、「生命保険契約の存在を知らずに保険金請求ができなかった」という事例を防ぐことができます。
しかし、本来は照会制度を利用せずに済むことが一番です。生命保険に加入した際には契約内容を一覧にまとめ、ご家族にお伝えいただくことをおすすめします。
令和4年6月20日 医療タイムス紙掲載