給与の控除額計算に注意
近年ではパソコンやインターネットの普及により給与計算ソフトを活用して給与計算をすることが多くなりましたが、
職員が少人数の場合は手計算で給与明細を作成されている医療機関もあると思われます。
給与計算ソフトを利用することにより所得税や雇用保険などが自動で計算され正確な控除金額が算出されますが、手で計算する場合は最新の税額表や料率などを用いて注意深く計算する必要があります。
給与を支給する際にはいくつかの控除を行って支給額を計算しますが、この控除金額を誤ると職員もしくは医療機関の負担が過剰となるなど、後日大きな問題となる可能性があります。
給与計算の誤りは職員との信頼関係に影響を及ぼしやすいため控除金額の計算に誤りがないか改めて確認をお勧めいたします。
【健康保険、年金】
医師国保、歯科医師国保に加入の場合は毎年4月までに従業員から控除すべき金額が通知されますので確認を行ってください。
協会けんぽ・厚生年金に加入の場合は職員毎に標準報酬月額が決定されていますので、それを用いて保険料額表にあてはめて控除額を決定します。2023年4月納付分より保険料額表が改定されますのでご注意下さい。
また、健康保険の種類によらず職員が40歳以上となると介護保険の控除対象となります。
【雇用保険】
給与の総額に0・3%を乗じて計算します。所得税では非課税として扱われる交通費なども含めた給与総額に乗じます。
【源泉所得税】
「令和5年分源泉徴収税額表」にあてはめて控除する所得税の金額を決定します。この税額表は国税局のホームページにてダウンロードできます。
【住民税】
毎年5月末までに事業所に市町村より職員毎に控除する金額が記載された決定通知書が届きます。この金額を6月より控除します。年額を12分割しているため毎月均等額となりますが、端数調整のため初回の6月のみ金額が異なっていることがあります。
給与計算にご不安がある際には、社会保険労務士事務所や会計事務所などの専門家にご相談ください。
令和4年4月1日 医療タイムス紙掲載