新規開業と継承開業
クリニックの新規開業をお考えの医師の方々は、依然として多くいらっしゃると思います。
最近では県外から長野県内に開業されるケースも多く見受けられ、地域差はありますがクリニックの数も増え以前と比べ同じ診療科での診療圏がかぶるケースも増えてきています。
開業には高額な初期導入費用がかかります。土地や建物及び医療機器にかかる費用です。また開業時における集患やスタッフ確保のための広告費も意識する必要があります。
このように一からご自分で新規開業される場合はコスト課題の解決にも労力を割くことになり、土地を探し出し、建築の設計から工程会議、医療機器類の選定、スタッフの新規募集とトレーニング、そして開業まで長期間、勤務以外に時間を割く必要も出てきます。
もうーつの開業スタイルに継承の開業があります。費用を支払い、既存のクリニックを譲り受けて開業するパターンです。内容が譲り受ける側の開業コンセプトに近いかどうかが課題になります。譲り渡す側と事業を継承する側が良く話をする必要がありますが、その時には会計事務所など専門のコンサルタントに入っていただくことが重要と思われます。
メリットとしては建築費用、医療機器導入費用、スタッフの新規募集の広告費用等の削減が望めます。最大のメリットは、現在の患者さんをそのまま引き継げることではないでしょうか。
ただし前院長の診療スタイルがあります。ある日突然新しい先生が診療するよりもできれば週何日でも良いのですが、非常勤医師として患者さんに接して引き継ぎを完了するのも良いのではと思います。
最近は事業を継承してもらえる医師の方を探してほしいと言う声が増えてきています。
令和3年9月20日 医療タイムス紙掲載