認知症のサポーター活動
今回は、地域福祉における取り組みの一つ「認心知症サポーター活動」について述べたいと思います。
わが国では高齢化とともに認知症患者数も増加しており、2025年には65歳以上の5人に1人が認知症になると推計されています。こうした中、厚生労働省による認知症施策、オレンジプランの取り組みの1つに「認知症サポーター活動」があります。
「認知症サポーター」とは、認知症に関する正しい知識と理解を持ち、地域や職域で認知症の人やその家族に対してできる範囲での手助けをするというもので、決して難しく捉えるものではありません。
サポーターには、自治体や全国的組織を持つ職域団体、企業において実施される養成講座を受講(90分程度)し、必要な知識を学ぶことで、誰でもなることができます。現在、国内においては老若男女約1300万人と、既に大勢の方が認知症サポーターとなっていますので、ご存じの方も多いかも知れません。養成講座では、認知症に関する基礎的知識や認知症の人への対応、家族の支援、サポーターとしてできることなどを学び、修了者はその証であるオレンジリングを受け取ることができます。受講にあたり、費用はかかりません。
概ね自治体に1つ窓口がありますので、お住まいの地域の窓口から申し込み、講座を受けてみてはいかがでしょうか。
私共も、有料老人ホームやグループホームなど、福祉施設の建築を通じ、ご高齢の方、認知症の方々に快適に過ごして頂くための場の提供に携わらせて頂いてきました。私も早速受講し、こうした取り組みへの理解を深めるとともに仕事としても個人としても、実践に移して参りたいと考えています。
令和3年6月10日 医療タイムス紙掲載