お知らせ

電子カルテのクラウド化

 団塊の世代が75歳以上の後期高齢者に達する2025年が目前に迫っていて、これからますます医療、介護等、さまざまな分野間の連携が求められていきます。
 また医療従事者の負担軽減の具体的方向性のツールとしてICT活用の推進も考えられます。最近では新型コロナウイルスの感染拡大防止対策として非対面式システムの構築が盛んに検討される傾向も見られます。
 地域医療連携、業務の効率化、対コロナ感染拡大防止対策の側面からどのように仕組みを構築するのか考えた場合、クラウド型電子カルテの普及が必要になってくると思います。
 クラウド型電子カルテの特長をいくつかみてみましょう。オンプレミスの場合ですが、院内にサーバーの設置とネットワークを構築するため、電子カルテの利用も院内に限られます。ネット環境下のクラウド型であればスマホやタブレットなどを利用して院外から情報共有でき、他職種との連携がスムーズに取れます。
 また、ウェブ問診システムを用いて患者さんのスマホから事前に症状を取得して、診療前に電子カルテ上で症状を確認したりすることができるようになります。在宅診療に関しては、外出先でも直接書き込みができるのもクラウド型の電子カルテの特長です。往診時にスマホを持って行き、カルテを閲覧しながら診察・処置を行うこともできます。
 矢野経済研究所の発表によると23年度の国内医療ICT市場規模(事業者売上高ベース)は198億円になると予測されています。電子問診システム、オンライン診療システム、クラウド型電子カルテの成長率が高いと見ており、医療ICTの促進、電子カルテのクラウド化の促進が背景となっていくとされています。
 今後の電子カルテのクラウド化の促進に注目したいと思います。
  令和3年5月1日  医療タイムス紙掲載