引退後の資金計画作り~ねんきんネットを活用~
先日お子様への事業承継を考えている先生から、ご自身が引退した後に月々にどのくらいお金が使えるのだろうかというご相談を頂きました。まだ先ではありますが、引退時期を考える上で、引退後の生活が資金不足になってしまうようでは、なかなか引退もできないものですので、気になるポイントになります。引退後の資金計画を立てる上では通帳残高等の目に見える備えに加え、将来の年金受給額を把握することは欠かせません。今回は年金額の試算を簡単にできる「ねんきんネット」というサイトについてご案内します。
■「ねんきんネット」とは
「ねんきんネット」とは、インターネット上で自身の年金情報を確認できるサービスで、日本年金機構が運営しています。利用するには事前に登録が必要ですが、誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」があれば即日、ない場合でも5日程度で登録ができます。なお、登録に基礎年金番号が必要となりますので、年金手帳のご用意をお願いします。
「ねんきんネット」の主な機能は ①自身の年金記録の確認、②将来の年金見込み額の確認の2つですが、今回は②将来の年金見込み額の確認についてご紹介します。
年金見込み額のシミュレーションでは、現在の給与で60歳まで働く場合の簡易計算をはじめ、今後の職業や収入予定額、退職時期等を入力する詳細計算ができます。皆さんも耳にされたことがある年金受給開始時期を前倒す繰り上げ支給や、受給開始を遅らせる繰り下げ受給のシミュレーションもできますし、年金を受給しながら働いた場合の支給停止額も表示されます。計算結果は最大5パターンまで保存でき比較検討することができます。
この年金額の将来見込み額の情報に加え、小規模企業共済や年金保険、最近はイデコやNISAなどの活用も増えていますので、これら年金以外の資金準備状況も確認し、ご自身の引退後の資金計画を早めに立ててみてはいかがでしょうか。