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「決算用預金」を活用~ペイオフ対策の一つ~

 経営が順調で、長くクリニックを経営されていると、事業用の預貯金残高が多くなっている事があります。多くなっている残高に対してペイオフのご心配をされていらっしゃる院長先生もおり、何か対策をしておきたい、といったご相談をお受けすることがございます。
 ご存じのとおりペイオフとは、万が一金融機関が破綻した場合でも、預け入れている預貯金が1,000万円とその利息までは保護される制度ですが、1,000万円の保護だけでは大きな損害が発生してしまうケースも想定され、取引が滞らない対策を検討した方がよさそうです。
 対策の一つとして、預貯金を1,000万円以下にいくつかの口座へ分散させる事も考えられますが、口座が増え、管理が大変になるケースもあるかと思います。そのような場合、「決済用預金」の活用をご紹介させていただきます。
 決済用預金とは以下の3つの要件を満たしているものとなります。
 ①要求払い(随時ご入金・お引き出しが可能)
 ②決済サービス(口座振替など各種決済サービスが可能)
 ③無利息
①と②の取り扱いは普通預金と同じですが、決済用預金には2つの大きなメリットがあります。
 1つは、残高全額保護です。決済用預金の最大のメリットとなりますが、仮に預貯金残高が3,000万円あったとしても、全額が保護されます。
 2つ目に簡易な手続きで切り替えができます。現在ご利用の決済取引の内容、口座番号やカードをそのまま引き継ぐ事が可能です。
 ただしデメリットとして、③の無利息である事があげられます。ですが、仮に預貯金残高が3,000万円、利息が0.001%の場合には、300円の利息しかつきません。
 考え方にもよりますが、無利息であることを、預貯金の全額保護をするための保険料と捉え、ペイオフ対策の一つとして、決済用預金の活用を検討してみてはいかがでしょうか。