歯科医師の定期検診案内
歯科医院で治療が完了した後、3か月から半年程度のサイクルで行われる定期検診ですが、口腔内の維持管理において効果が高いことから、疾患がある時だけの通院から、予防型の通院としてその実施が歯科医院でも重要な位置付けになっています。今回はそんな歯科医院での定期検診時期のお知らせ(リコール)方法について考察します。
リコールの目標は治療が完了した人の60%が定期検診に来院することと言われていますが、なかなか達成できないとの先生方の声もお聞きします。このリコールの率を上げるためには、治療終了時にカウンセリングを行って、定期検診の重要性を伝えることに加え、予約を取りやすくする工夫が必要です。
以前からリコールといえばハガキを郵送し、到着後に予約電話をかけてもらう方法か、治療終了時に数か月先の予定を決めてもらい、変更があれば連絡してもらう方法がありました。ここで必要になってくるのが患者さんに電話をしてもらうという行動なのですが、日中仕事をしている人にとって診療時間に合わせて電話をするというのはなかなか難しいことです。そこで、リコールの案内から予約連絡までを、LINE(スマートフォンのアプリ)で行う医院も出てきています。
LINEは長野県庁が中高生を対象にした相談窓口に利用するような、一般化してきたコミュニケーションアプリで、特徴はハガキではできない双方向のやり取りができ、メールよりも開封してもらいやすくメッセージ入力も容易にできる点にあります。すなわち、定期検診のお知らせを受信した患者さんが返事を入力しやすく予約につながりやすいと言えます。
実際に使用している弊祉顧問先で感想をお聞きしたところ「当初はメッセージの返信が大変だと思っていたが、受付や会計で人手が無い時問帯に電話がかかって来てしまうよりも、隙間時間で返事ができているため、負担はむしろ少ないと思う」との話がありました。また先生自身よりも若いスタッフの方が使いこなしてくれているとの話もありました。
今の10代、20代は幼い頃から携帯電話があり、電話で話すよりもSNSでのコミュニケーションを好む傾向があると言われています。来院される患者さんも様々ですので、それぞれの方にとって最適なリコール方法についてLINEのような新しいツール導入も検討してみてはいかがでしょうか。