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働き方改革で導入検討~診療所のクラーク職~

 先日顧問先の内科クリニックの先生からメディカルクラーク(医師事務作業補助者)の職員採用を検討したいとのご相談を頂きました。医師のレセプト入力や事務作業を代行する職員であるクラーク職ですが、平成30年診療報酬改定の中で、医師の事務負担軽減に一定の効果が認められるとして、入院基本料の加算点数を増点する改正が行われました。では、診療報酬での加算がない、クリニックでのクラーク職導入はどのような状況なのでしょうか。弊社顧問先での導入事例から、メリットやその費用対効果について考察していきます。
 調査をした所、クリニックではまだまだ導入数は少ないものの、確実に件数が増えてきているようです。導入した医院の特徴としては、一日の患者数が増えてきて、長時間待たせてしまったり、一人一人に対して十分な診察時間が確保できず工夫が必要、といったことが導入のきっかけになったようです。
 導入のメリットは、カルテ作成を任せることで先生が診察に集中でき、「待ち時間の短縮」や、「患者と向き合って診察できる」といった患者満足度の向上が期待できます。さらにクラークが先生の診療を補助することで、先生のストレスの軽減、看護師や受付事務員との情報共有が図りやすいことで、職種毎の壁が無くなり風通しが良くなるなどのメリットが期待できます。
 続いて費用対効果について考えていきましょう。今までの人員体制に1人追加採用をした場合には、事務員給与年収350万円が新たに発生します。内科クリニックの場合で、1日につき3人程度の患者数増加で、月に32.8万円、年間394万円の収入アップとなりカバーできる計算になります。クラークにカルテ入力以外の、診断書や意見書の作成などを任せることができれば、先生方が診療時間外で行っていた業務も減らすことができ、まさに開業医の先生方の働き方改革となります。
 スキルがあるベテランクラークの採用は難しいため、新しい事務員を採用してから、対象者への研修が必要となります。教育には時間がかかり難しい面もありますが、従業員が先生の診療について今よりも深く知ることで、普段のコミュニケーションも取りやすくなり、業務がスムーズに進められることも期待できます。患者、従業員との良好なコミュニケーションの実現と、先生方ご自身の働き方改革のため、クラーク職導入を検討してみてはいかがでしょうか。