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医療機関の未収金を減らす取り組み紹介~

先日医院様へ訪問する中で、一人につき10万円を超えるような治療費が未収になっていることに悩まれているとお聞きしました。医療機関の未収金では、手術時の窓口負担分や、歯科医院の矯正費用等が高額な未収金として残りやすいようです。今回は未収金が発生してしまった場合の対応と、未収金を残さない、滞納させない取組について紹介致します。

未収金の時効
治療費の未収金の場合、請求できる権利が消滅する時効は現状では発生から3年となっています。しかし診療日から2年半も経って請求書が届いても、すでに記憶が無く「なぜ、今頃」と逆に不信に思われてしまいます。未収の原因の多くはその場で手持ちが無く、次回来院時に支払うことを約束したが、予約のキャンセルによって未収の状態になることが多いと思います。毎月最終来院日から1ヶ月が経過している未収患者を抽出して、対応をしていけば、回収率は高まります。未収金は早期の対応が必須です。

未収金の回収方法
未収金の回収方法は、まずは電話や書面での請求、又は直接の訪問となります。訪問は時間もかかり大変ですが、家族の支払協力を得られる場合もあります。それも難しい場合には、次の手段を講じる他ありません。具体的には、内容証明郵便を使い期日までに請求に応じない場合には、法的な手段(少額訴訟等の裁判所の督促手続き)を取るという形で期日を定めて書面を送る方法です。内容証明という形式をとることで心理的なプレッシャーもあるようです。冒頭の医院でもこの方法で患者さんから振込をいただくことができました。提出には郵便局への千円程度の実費支払で済みますので、なかなか回収できずにお困りの未収金がございましたら検討下さい。

未収金を残さないために
未収金を残さないために、前もって大きく治療費がかかる場合には事前に伝えておくことや、現金以外のクレジットカードといった支払方法を用意するという工夫が考えられます。未収金請求は誰もがやりたがらない業務ですが、スムーズに請求業務ができるように請求書の文面を予め作っておく、毎月未収になっている患者名を院長に報告するというルール決めをしている医院もあります。

未収金は医療機関が本来得るべき収入を失っている状態です。適正な発展のために未収患者を無くすことも大切な業務ではないでしょうか。事務スタッフを中心に取り組んでみてはいかがでしょうか。
   平成29年7月20日医療タイムス 掲載