お知らせ

今後の立ち位置に注目~

介護療養病床の転換期限が2017年度末に迫ってきている中で、
平成28年5月26日に「地域包括ケアシステム強化のための介護保険法等の一部を改正する法律」が成立しました。
この改正のポイントの内容としては、

①自立支援・重度化防止に向けた保険者機能の強化等の取組の推進(介護保険法)
②医療・介護の連携の推進等(介護保険法、医療法)
③地域共生社会の実現に向けた取組の推進等(社会福祉法、介護保険法、障害者総合支援法、児童福祉法)になります。

 この中で新類型施設として「介護医療院」の創設がされました。
その背景としては今後増え続ける慢性期の医療・介護のニーズがあります。
このニーズに対応して行く為「日常的な医学管理」や「看取り・ターミナル」等の機能と、
「生活施設」としての機能とを兼ね備えた、新たな介護保険施設が必要と考えられました。
開設主体は、地方公共団体、医療法人、社会福祉法人などの非営利法人等になります。
機能面としては要介護者に対し、「長期療養のための医療」と「日常生活上の世話〔介護)」を一体的に提供するものとなります。
つまり長期療養と生活施設の確保になると思います。
 介護保険法上の介護保険施設ですが、医療法上は医療提供施設として法的に位置づけられます。
2017年度末に転換期限を迎える療養病床ですが現行の介護療養病床の経過措置期間については6年間延長することになります。
新設の場合「介護医療院」と名称を付けなければなりませんが、病院又は診療所から新施設に転換した場合には、
転換前の病院又は診療所の名称を引き続き使用できることとしました。
新類型の介護医療院は比較的医療の必要性が高い方の為の1型(介護療養病床相当)、
比較的容体が安定している方の為のH型(老健施設相当以上)、これらは医療機能を内包しています。
 もうーつは医療を外から提供する為の居住スペースと医療機関の併設が必要な医療外付け型(特定施設入居者介護の基準を参考)になります。
注目したいのは1床当たりの病室床面積です。
原則的に8・0、mとされていて療養病床基準の6・4、mを上回っています。
 また多床室の場合でも家具やパーテトション等により間仕切りを設置する等プライバシーに配慮した形になっています。
これらの介護報酬や施設基準及び展開支援策はこれから審議されていくことになります。
 いずれにしてもこれから在宅にて介護が困難になって行く高齢者やその家族にとってこの介護医療院が
今後どの様な立ち位置に落ち着いて行くのか今後の審議を見守って行きたいと思う所です。

 平成29年7月10日 医療タイムス掲載