お知らせ

レセプトのデータベース~国民にも情報公開~

ナショナルデータベースNDBは「レセプト情報・特定健診等情報データベース」の通称であり、全国の医療レセプト(DPC、医科入院外、医科入院、調剤、歯科)や特定健診のデータを各保険者団体から集めたものである事は周知の通りである。平成20年4月施行の「高齢者の医療の確保に関する法律」に基づき、医療費適正化計画策定の調査、分析を行うため参照できるデータベースとして整備されたのが始まりである。レセプトとは保険診療を行った医療機関が診療報酬を保険者に請求するため患者1人について毎月発行する診療報酬の明細書の事であり、平成21年度診療分の電子化されたレセプト情報からNDBに格納されています。

NDBはもともと非常に多くの国民から集積した貴重な医療データであるが故に上記以外の目的、例えば学術研究のための資料として、医療サービスの質の向上のための研究などに一定のルールの下で活用したらどうかという提言がなされた。平成22年6月22日に閣議決定された「新たな情報通信技術戦略工程表」(高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部『IT戦略本部』決定)において、NDB活用のための方針が示されました。平成23年に初めて医療費適正化計画の目的以外にも有識者会議での厳しい審査を経て研究者に情報が提供されています。レセプトの知識やデータベース解析・構築の技術が必要ですが、分析結果としては二次医療圏単位の受療動向、医療提供体制など地域のさまざまな医療状況が把握できます。

現在NDBには大量のレセプトデータと年間2千万件を超える特定健診と特定保健指導のデータが蓄積されており、国民の医療動向や健康状態を把握する上で有意義なデータとなりつつあります。「レセプト情報等の提供に関する有識者会議」等で議論されこのデータの有用性を活かすため典型的、一般的な観点からNDBデータを公表し国民に情報提供してはどうかとの事でオープンデータ化されました。
第一回NDBオープンデータの内容として第一部解説編は、オープンデータベースの解説となっており第二部のデータ編には、医科診療行為として、基本診療料、医学管理料、在宅医療、検査、画像診断、リハビリテーション、精神科専門療法、処置、手術、麻酔、放射線治療、病理診断。その他に歯科傷病、特定健診(都道府県別BMI、腹囲、空腹時血糖、HbAlC、HDLコレステロール、LDLコレステロールなど)、薬剤内服外来(院内)都道府県別薬効分類別数量等が掲載されています。分類は都道府県別、性年齢別ではありますが今後国民がセルフメディケーションを高めるため、また地域医療の実態を住民が容易に把握でき自己の健康管理に応用出来るよう発展していってもらいたいと思います。

平成29年1月1日  医療タイムス紙掲載