お知らせ

税制改正で新たに優遇 ~空き家売却 特別控除~

今、放置された空き家が増え環境に悪影響を及ぼすと、全国的に問題になっております。その中でも長野県の空き家率は19.8%、全国2位(平成25年総務省住宅土地統計調査より)と高い数字となっているようです。実際に弊社で担当させて頂いている先生方の中でも、ご両親が住んでいらっしゃった建物を相続したのだけれど先生ご自身は既にマイホームを持っており、相続された家は空き家状態になってしまっている、というケースもありました。
これまでこのような空き家を売却した際には、居住している建物とは違い税金を安くする控除などはありませんでした。しかし平成28年の税制改正で、平成28年4月から平成31年12月31日までに空き家を売却した際に税制面での優遇が受けられるようになりましたのでご紹介致します。
◆この控除を受けるための要件は?
 下記のすべての要件を満たす必要があります。
 ・相続発生により空き家になった
 ・昭和56年5月31日以前に建築された
 ・区分所有建築物でないこと(マンションなどは対象外)
 ・その自宅を相続した相続人が、家屋を除却して土地を売却する、または必要な耐震改修をして家屋または家屋とその敷地の
  土地を売却する。
 ・平成28年4月1日から平成31年12月31日の間の売却
 ・相続時から3年を経過する日の属する年の12月31日までの売却である(平成25年以降に発生した相続)
 ・売却額が1億円以下
 ・相続時から売却までの間に、事業・貸付・居住の用に供されていない
 ・役所等から要件を満たす証明書などの書類を入手し、確定申告書に添付して申告する
◆特別控除による減税額は?
 譲渡所得から3,000万円の特別控除が適用できます。例えば、上記要件を満たす空き家を売却した際に売却価格4,000万円、取得費用と譲渡費用が1,000万円かかっていた場合、差し引きで3,000万円の課税対象額ということになります。この場合、従来の計算方法ですと所得税、住民税合わせて6,094,500円の税金がかかることになります。しかし、改正後は3,000万円の特別控除が使えますので、売却価格から取得費用、譲渡費用を差し引いた額が3,000万円以下であれば所得税、住民税は課税されません。

 この特別控除を受けるための要件は少し多いため、相続された空き家を売却する際には、専門家にご相談の上ご検討下さい。


平成28年4月20日 医療タイムス紙掲載