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税務調査官にノルマはある?

 医療機関を経営されている先生方のご不安のひとつに税務調査があるのではないでしょうか?今回はこの税務調査について、元税務調査官の弊社税理士に日頃気になっていた質問をぶつけてみました。

Q. 税務調査官にノルマはありますか?
A. 税務調査官は税務申告の誤りをみつけて追徴課税を課すことが仕事ですが、追徴課税の金額にノルマはありません。しかし税務調査の年間実施件数にノルマがあり、およそ一週間に1件程度のノルマが課せられています。

Q. 時期によって調査の本気度が違うと聞いたことがありますが本当ですか?
A. 税務署では7月1日から新年度が始まります。7月10日に人事異動が行われ、そこから調査の対象先の選定を行い、税務調査本番を迎えます。夏から年末までが税務調査官が一番力を入れる時期と言えます。
 年が明けてから春先までは確定申告の時期となり税務署は繁忙期を迎えるため、税務調査よりも確定申告業務が優先され税務調査の件数は減少します。
先ほどの件数ノルマは6月末日までの目標となっているため、ノルマが達成できていない税務調査官は4月から6月に駆け込みで件数をこなす必要があります。6月までに調査を終了させるために他の時期よりもすんなりと調査を終わらせてしまうこともあります。

Q. 税務調査対策に「お土産」を用意すると有効?
A. わざと否認されるような経費を計上しておく、何も誤りがないのに修正申告に応じるといった「お土産」があることによってその部分の指摘だけで終わり、早期に税務調査が終わると巷では思われているようです。
 しかし、税務調査官からはすれば他にも誤りがあるのではないかと考えるため、全くの逆効果となります。
「お土産」を用意するよりも適正な記帳と申告を心がけることが重要です。

 話を聞いてみると税務署の世界にも様々な事情があるようです。いざ税務調査となっても慌てないために日頃から適正な税務処理を心がけたいものです。

医療タイムス紙 平成27年4月10日 掲載