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外貨建て金融商品の投資

 昨今の円安傾向を背景に、米ドルなど外貨建ての金融商品に投資をされている先生も多いのではないでしょうか。外貨に投資する方法は、外貨預金、FX、外貨建てMMFなどがありますが、この中で売却時の為替差益に唯一税金がかからないものが外貨建てMMFです。購入時と売却時の為替レートの差により発生する為替差益が非課税であることは大きな魅力です。しかし外貨建てMMFに対する税制が2016年より変更となるためご注意が必要です。
 現在の税制では購入してから円安となり、売却時に発生した為替差益については非課税となっていますが、2016年以降は20.315%の税率による申告分離課税の対象となりますので、年内に売却するか、来年以降に持ち越すかで手取りが大きく変わります。外貨建てMMFを保有していて為替差益が発生している方は非課税扱いである年内のうちに売却されることを検討されてはいかがでしょうか。2016年以降もさらに円安が続くと予想されるのであれば年内のうちに為替差益を確定させた後に買い戻す方法もございます。
 また、売却時に為替差損が発生してしまった場合、現在この損は生じなかったものとみなされますが、2016年以降であればこれらの所得間並びに上場株式等の配当所得(申告分離課税を選択したもの)および譲渡所得等と通算することが可能となります。したがって為替差損が発生する場合は2016年以降に売却をすることで損益通算による節税対策をすることができると思われます。

医療タイムス 外貨建金融商品.pdf

 外貨建てMMFをお持ちの方は為替差益を生じているようであれば年内の売却、為替差損が生じているようであれば2016年以降の売却をご検討されることをお勧めいたします。

医療タイムス紙 平成27年4月1日 掲載