通勤手当の非課税額
スタッフへ支払う給与には、原則として所得税が課税されることになります。しかし、通勤手当や旅費といったもので、一定の条件に合致する場合には、所得税が課税されずに済むケースがあります。その代表格であるマイカー・自転車通勤者に対する通勤手当の非課税限度額の範囲が10月20日から下表のように拡大されることとなりました。
通勤距離(片道) 非課税限度額
改正前 改正後
2km未満 全額課税 全額課税
2km以上 10km未満 4,100円 4,200円
10km以上 15km未満 6,500円 7,100円
15km以上 25km未満 11,300円 12,900円
25km以上 35km未満 16,100円 18,700円
35km以上 45km未満 20,900円 24,400円
45km以上 55km未満 24,500円 28,000円
55km以上 24,500円 31,600円
例えば、通勤距離が片道10km以上15km未満の人の場合、従来は6,500円までが非課税でしたが、改正後は7,100円まで非課税で支給することができるようになりました。
この改正は、平成26年4月1日以後に受けるべき通勤手当から適用されることとなります。この改正後、先生方から「通勤手当を平成26年4月分から遡って上げないといけないの?」というご質問をよく頂戴します。
通勤手当を上げなければいけないか否かの判断は、医院の賃金規定やスタッフとの労働契約書に、通勤手当についてどのような記載がされているかによります。就業規則や労働契約書に「通勤手当は各人の通勤距離に応じ、非課税の範囲内で支給する」という文言が記載されている場合、あくまで非課税枠の範囲内としていますので、今回の改正があったからといって、それに併せて通勤手当を上げなければいけないということはありません。逆に、「非課税限度額を支給する」と記載している場合には、通勤手当を上げる必要が出てきます。
一度、医院の賃金規定や労働契約書にどのように記載されているかご確認頂ければと思います。
医療タイムス紙 平成26年11月20日 掲載