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事業承継の解決策 M&A

 最近、事業承継の解決策として「M&A」という言葉をよく目にされているのではないでしょうか、今回はM&Aについてご紹介したいと思います。
 M&Aとは「Mergers&Acquisitions」を略したものであり、日本語では「合併と買収」を意味します。M&Aというと、過去にホリエモンこと堀江貴文氏が次々と企業買収を行ったマイナスイメージがあるかもしれませんが、後継者が不在の医療機関を第三者に譲渡する手法として用いられ、事業承継の際の選択肢の一つとして注目されており、医療機関の後継者問題を解決する有効な手段です。

 医療機関の事業承継は一般業の承継と異なり、後継者が医師免許もしくは、歯科医師免許を所有している必要があります。そのため一般業と比べて後継者が不在である割合が高いことが深刻な問題です。
 親族に後継者がいない場合には廃業を検討しますが、M&Aで第三者に医療機関を譲渡する事が出来れば、廃業することなく長年地域に提供してきた医療を継続でき、雇用していたスタッフも解雇することなく雇用を継続できるという利点があります。何よりも、譲渡することにより売却代金を手にすることができるという金銭的なメリットを享受する事ができます。現役引退後の生活資金も確保できるため、単なる廃業と比較するとはるかに有利な手段と言えます。
 一方では、このような後継者が不在で売却される医療機関を獲得したいというニーズも存在します。新規開業予定の医師、歯科医師や、規模を拡大しようとしている医療法人などがこのような物件を探していることがあります。なぜなら新規で医療機関を開設するよりも既存の医療機関を購入する事ができれば、経営を軌道に乗せるまでの労力とリスクを軽減できるためです。

 事業承継でお悩みになり、廃業を検討されている場合には、M&Aを選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。すべての医療機関が対象となるわけではありませんが、M&Aの専門家に相談してご検討される事をお勧めします。

医療タイムス紙 平成26年10月20日 掲載