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制度改革に遅れない対応

 「医療制度改革」という言葉は医療に係わっている、いないに関係なく良く耳にする言葉である。2000年に介護保険制度が施行されてから特に医療行政が変化して来ているように思える。医療機関や介護施設においてはその行政スケジュールをしっかり理解して今後の経営の方向性を決めていかなくてはならない。

 「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律」が今年6月25日に公布され一部施行されました。今後、高齢化の進展に伴い、慢性的な疾病や複数の疾病を抱える患者の増加が見込まれます。 急性期から在宅医療、介護までの一連のサービスを地域において総合的に確保する必要が出てきてます。こうした観点から、地域において効率的かつ質の高い医療提供体制と地域包括ケアシステムを構築する必要があります。これらの体制をスムーズに構築していくために医療法、介護保険法等を一括して改正、整備する法律です。

 そのなかで幾つか確認してみたい。(厚生労働省より)
1.新たな基金の創設と医療・介護の連携強化(地域介護施設整備促進法等関係)
 ①都道府県の事業計画に記載した医療・介護の事業(病床の機能分化・連携、在宅医療・介護の推進等)
 ②医療と介護の連携を強化するため、厚生労働大臣が基本的な方針を策定

2.地域における効率的かつ効果的な医療提供体制の確保(医療法関係)
 ①医療機関が都道府県知事に病床の医療機能(高度急性期、急性期、回復期、慢性期)等を報告し、都道府県は、それをもとに地域医療構想(ビジョン)を医療計画において策定
 ②医師確保支援を行う地域医療支援センターの機能を法律に位置付け

  注目すべきは、都道府県知事の権限強化である。例えば、地域医療構想の達成の推進に必要な事項について、機能が不足している場合等においては、病院等の開設者または管理者に対し、都道府県医療審議会の意見を聴いて、当該構想区域における既存の病床数が将来の病床数の必要量に達していない病床機能区分に係る医療を提供することの等の必要な措置を取る事を要請することができる。
 病床の医療機能の報告は今年の10月に始まるが、各医療施設は地域医療構想にあった方向性を認識して各医療圏の中で医療機能分担と連携体制に遅れる事無く対応していく必要があると思います。

医療タイムス紙 平成26年10月1日 掲載