医院のネット戦略①
最近ではちょっと具合が悪いと、インターネットを検索して、近くの医院・クリニックを探すといったことは、すっかり当たり前の光景になりました。医院に初めて行く際も、場所や診療時間の確認のためにホームページを探してみるという人は多いでしょう。そんなふうに、ホームページはあちこちで患者さんとの最初の接点の役目を果たしています。人と会うときの初対面の印象が大切なのと同じく、ホームページで左右される印象の影響は、決して小さくありません。書いてある内容はもちろん、必要な情報をきちんと探し出せるか、デザインの雰囲気、掲載されている写真なども、安心して訪ねられるかどうかを判別する材料になっています。
インターネットにはあまり関心が無いという医療施設の方も、一度は真剣に情報発信を考える機会を作って見られてはいかがでしょうか。格好よく作られたプロのホームページだけが正解というわけではありません。手作りでも、レンタルブログでも、必要な情報にわかりやすくアクセスできれば、訊ねようとする患者さんに役に立ちます。そのうえで、もっとたくさん患者さんに来て欲しい、とか、来院前に知って欲しい、といった目的があれば、段階的に作り込んでいかれるといいでしょう。
中にはずっと以前の古い情報のまま放置されているようなものや、そもそもホームページがないというところも見かけます。そんな時はIT企業などが運営する医療施設情報サイトなどが検索上位に出てきますが、このようなサイトは、内容が間違っていることもしばしば。インターネットの情報のみを手がかりに作られていることも多く、公式ホームページのない施設ではなおさら間違いがよく見られるようです。
医療は関心の高いサービスですから、自身で情報発信をしておかないと、こんなふうに不正確な情報拡散を放置することになるリスクもあります。ホームページを持ち、維持管理していくことは、情報をコントロールするという意味でも有効なのです。ホームページの制作やメンテナンスにはどうしてもある程度の手間がかかります。しかし、診療時間や診療方針を正確に伝えることができれば、先生やスタッフの働きやすさにも繋げていけるのではないでしょうか。
医療タイムス紙 平成26年9月1日掲載