新卒衛生士採用の向けて
今回は歯科衛生士の採用に関してお話いたします。歯科医院の先生方とお話していると、歯科衛生士の確保が難しいというお話をよく覗います。県内衛生士学校のHPによると新卒衛生士の求人人数は20~30人の学生に対して200~400件来ているという状況のようですから、採用の難しさをうかがわせる数字です。そういった中で、新卒求人のノウハウ、人材を惹きつける職場についてご紹介いたします。
■新卒求人ノウハウ
新卒採用に関しては、学生がいくつかの医院を見学し、その中から面接先を選んでいるのが実態のようです。まずは興味を持って見学に来てもらえるように、求人票の自由記載欄があれば、文章にマーカーを入れるなど印象に残るようにする、身近な存在にあたる先輩衛生士の声を載せる、もっと医院のことを知ってもらうために医院ホームページのアドレスを記載するといったことは押さえていおきたいところです。そして衛生士学校へ求人票を提出する際は、一度は直接提出に伺い就職係担当の方と顔を合わせて、問い合わせなどがお互いしやすい関係を築くことも重要という声もお聞きします。また新聞等への求人広告の掲載、院内に掲示をしておく事も有効です。それを見た患者さんが、自分の家族や親戚に衛生士学校に通う学生がいる場合には就職先として勧めてくれるケースもあるためです。県外の学校へ進学しているケースでは特にこの情報は重要になります。
■人材を惹きつける職場とは
さて見学に来た学生はどのようなポイントで歯科医院を選ぶのでしょうか。過去に人事コンサルティング会社が発表した「日本人従業員の選ぶ仕事に対する要因」という資料によると、人材を惹きつける職場条件の上位には、①やりがいのある仕事 ②魅力的な報酬 ③仕事/生活のバランス、があげられています。
①のやりがいのある仕事とは「自分が行っている仕事に価値があると実感できること」と言えるでしょう。歯科医院で考えると、患者さんから感謝の言葉をもらえることや、先生や同僚スタッフから認めてもらえることが「やりがいのある仕事」を実感できる瞬間になるのではないかと思います。日々の朝礼や終礼、スタッフミーティングの機会に事務所連絡だけではなく、こういった言葉を発表し合う習慣があると、学生を惹きつけることができるかもしれません。
見学に来た学生さんに、一緒に働きたいと思ってもらえるような職場雰囲気づくりとして、今回ご紹介した「やりがいのある仕事」をキーワードにしてみてはいかがでしょうか。
医療タイムス紙 平成26年8月1日 掲載