今回は以前にもお伝えしたキャリアアップ助成金に健康管理コースができましたのでお伝えします。キャリアアップ助成金の健康管理コースとは、通常は義務付けられていないパート従業員等に対する健康診断を行う事により1事業所当たり40万円の助成金が受けられるという制度です。

　主な受給要件
①現在、健康診断を実施していない事業所または健康診断を実施していてもパート就業規程に定めていない事業所であること。
②事業所ごとに「キャリアアップ管理者」を配置し、「キャリアアップ計画」を作成して管轄の労働局長の認定を受けること。

　対象労働者
対象労働者は
（1）有期契約労働者
（2）無期雇用労働者
（3）短時間労働者（雇用期間に応じて（1）、（2）として取扱われます）。

法定外の健康診断制度の規定
　常時雇用する労働者（正職員、一定条件以上のパートタイマー）以外の労働者に対して健康診断を受けさせる事を「法定外の健康診断制度」といい、以下（1）～（4）のうち1つ以上を就業規程等に規定すること。
（1）雇用時健康診断（雇入の時に行う健康診断で費用を事業所が全額負担する）
（2）定期健康診断（年1回の定期健康診断で費用を事業所が全額負担する）
（3）人間ドック（基本健康診断、乳がん胃がんなどの各検診等で検診費用の1/2以上を事業所が負担する）
（4）生活習慣病予防検診（人間ドックを除く医師により行う健康診断で検診費用の1/2以上を事業所が負担する）

対象労働者の労働条件
　雇用時健康診断、定期健康診断を就業規程等に規定する場合には、対象労働者は以下の労働条件全てにあてはまること。
（1）期間の定めのある労働契約である
（2）契約期間が1年以下である
（3）契約更新により1年以上雇用契約が予定されていない
（4）週の労働時間が30時間以下（通常勤務の3/4以下）
　ただし、前記の人間ドック、生活習慣病予防検診のみを規定する場合、有期労働契約者であれば労働条件による縛りはありません。

　これらの条件を満たした上でのべ4人以上に健康診断や人間ドッグなどを受けさせ、支給申請を提出しますと、1事業所当たり40万円を受給することができます。労働局の認可や申請書類の作成など、事務手続きは多くなりますが、従業員の福利厚生にも役立ちますし、今後採用するパート職員にも現在採用しているパート職員にも適用が可能です。ご検討の際は社会保険労務士など専門家にご相談の上ご利用いただきたいと思います。

医療タイムス紙　平成26年7月10日　掲載