重要な仕事に着手は?
診療所では先生方は大切な3つの役割があると言われていますがご存知でしょうか。簡単に紹介致しますと、①プレイヤーとして診療業務を行う②マネージャーとして現場でスタッフの業務管理を行う③経営者として医院の方針を決め、計画を立て実行するというものです。ですが、多くの先生方は①のプレイヤーとして午前午後の外来、昼休みの往診等の診療業務に加え、医院運営上必要な面会、営繕、労務管理業務まで行っているので、なかなか②や③の時間がとれない状況にあると思います。ですが、②や③がおろそかになると、患者さんからのクレームやスタッフの突然の退職といった事態を招く恐れもありますので、注意したいところです。今回はどのようにしたら時間を確保できるのかご紹介致します。
仕事と時間の概念については、以前ベストセラーになった「スティーブン・R・コヴィー著7つの習慣」で、4つのマトリックスに区切って、優先順位を考える手法が参考になりますので、日々の仕事をこれに当てはめて考えていきましょう。(下記参照)
時間管理
第Ⅰ領域 緊急・重要
第Ⅱ領域 緊急でない・重要
第Ⅲ領域 緊急・重要でない
第Ⅳ領域 緊急でない・重要でない
第Ⅰ領域(緊急でかつ、重要な仕事)には日常の診療業務が該当します。第Ⅱ領域(緊急ではないが、重要な仕事)には後回しに出来ますが、先生にしか出来ないマネージャーや経営者としての業務が該当します。第Ⅲ領域(緊急ではあるが、重要でない仕事)には医院運営上必要な面会、営繕、労務管理といった業務が該当します。都度行わないと支障が出るため緊急性は高いのですが、先生以外の考え方でも行えるものは、先生の限られた時間から考えると重要性は低いと考えるためです。最後に第Ⅳ領域には連携ミスによる手待ち時間等の無駄な時間が該当します。
第Ⅱ領域に該当する重要な②や③のための時間確保の方法は次の方法が考えられます。
■第Ⅳ領域を徹底的に減らす
■先生が行っている第Ⅲ領域の業務の中で、スタッフに任せられる営繕業務等は、範囲を決め、実施、報告までをスタッフに一任する。
■スタッフに頼めない給与計算やスタッフの入退社の手続き、採用活動といった労務管理業務は外部に委託する。
■第Ⅱ領域の業務でも、不慣れなものは専門家や事務長代行といった外部の力を取り入れ準備時間を短縮する。
第Ⅱ領域の仕事に着手できると医院の雰囲気が変わり、新たな患者さんを呼び込むことにもつながります。日々忙しい中ですか一度先生ご自身の業務の棚卸しをして優先順位を見直す作業をしてみてはいかがでしょうか。
医療タイムス紙 平成26年4月1日 掲載