確定申告前に確認を 【医療費控除、よくある相談】
以前確定申告用に見落としがちな4つの控除項目を書かせていただきました。今回は医療費控除をピックアップして、その中でも良く相談がある項目についてまとめてみました。
・歯の矯正費用
子供の成長を阻害しないためや、大人の矯正費用でも歯科矯正の目的が噛み合わせに機能的な問題があると歯科医が認めた場合には医療費控除として認められます。
一方、美容や審美が理由の歯の矯正費用は医療費控除にはなりません。
・インプラントや高価な材料を利用した歯科治療費
こちらも審美や美容目的ではなければ、自由診療となる一般的な材料を
用いる治療は医療費控除として認められます。
・健康診断、人間ドックの費用
原則としては医療費控除の対象にはなりませんが、診断の結果、疾病が
見つかり、そのまま治療になった際には治療に先立つ診察費用として医
療費控除として認められます。ちなみに予防接種は医療費控除のとして
は認められません。
・妊婦の定期検診や不妊治療・人工授精の費用
分娩費用に加えて出産前後の定期検診の費用は医療費控除として認めら
れます。
また、不妊治療や人工授精の費用も医療費控除として認められます。
・眼科医に払う治療費等
①レーシック手術 手術にかかる費用は医療費控除として認められます。
②角膜矯正療法 この治療費用も医療費控除として認められます。
③メガネやコンタクトレンズ代 斜視、白内障、緑内障等対象となる疾患の治療のため眼科医より処方箋が発行されて購入する場合は医療費控除の対象となります。直接眼鏡店で購入した場合は認められません。
・かつらや植毛の購入やAGA(男性型脱毛症)の治療内服薬の購入費用
医療用のかつらやウィッグの購入費用及び、AGAの治療薬も基本的に
は審美として取り扱われますので、医療費控除としては認められておりませんが、AGAは病気が起因するものであれば認められることもあるようです。
・その他注意事項
なお、出産育児一時金や生命保険、福祉医療費等、医療費に補てんされて支払われるお金は対象となる医療費から差し引いて計算します。
今年もあと6ヵ月ですが、今から医療費選別等の準備をしてみてはいかがでしょうか?詳細は税務署や税理士等にお尋ね願います。
医療タイムス紙 平成25年12月1日 掲載