スタッフへの福利厚生費の使い方 ①
クリニックを経営されている先生方から必ずご相談されることのひとつに、スタッフ達への福利厚生費がございます。
今回は福利厚生費の中でも、特にご質問の多い社員旅行について要点をまとめてみましたので、参考にしていただければ幸いです。
☆ 社員旅行が福利厚生費と認められるための主な要件
○ 必ず満たす形式基準
・旅行期間が4泊5日以内であること(海外の場合は現地で4泊以内)
・全スタッフの50%以上が旅行に参加すること
→最近は、行事に参加したがらないスタッフも増えてきつつありますが、半数以上の方にご参加いただかなくてはなりません。また、不参加の方に金銭等をお渡しした場合は渡したスタッフの給与として取り扱われますのでご注意ください。
○ 金額
・一般的な旅費と比較してあまりにも高額でないこと
→明確な基準はありませんが、クリニック負担がスタッフ一人あたりで約10万円を超えない程度と通説で言われております。しかし、1泊2日で10万円の旅費となりますと一般的な金額なのかどうかと疑われる可能性がございます。
○ 参加者
・全スタッフを対象として、成績優秀者のみ等限定をしないこと
・スタッフの家族も同行させる場合、その旅費は原則スタッフが負担すること
→家族が同行した場合は、その他の要件を満たしていればスタッフ本人分は福利厚生費となりますが、家族分の旅費は同行させたスタッフの給与として取り扱われますのでご注意下さい。
☆ 事例(国税庁HPより)
1. 旅行期間3泊4日 旅費15万円(内スタッフ負担7万円) 参加割合100%福利厚生費として処理可能
2. 旅行期間4泊5日 旅費25万円(内スタッフ負担10万円) 参加割合100%福利厚生費として処理可能
3. 旅行期間5泊6日 旅費30万円(内スタッフ負担15万円) 参加割合50%スタッフへの給与として所得税等課税
最近、何泊もする社員旅行は減少傾向にありますが、1泊2日程度の国内への社員旅行は検討されている先生方も多いかと存じます。その際は旅費の金額等はご注意いただければと存じます。
医療タイムス紙 平成25年7月20日 掲載