開業サポートのポイント
診療所の新規開業の件数は以前に比べればかなり減少して来ています。 厚生労働省の「医療施設動態調査」を引用してみます。
医療診療所数それ自体はいまだ増加を続けている。平成10年(1998年)には9万862、15年には9万6326、20年は9万9682、そして24年は10万112施設になっています。しかし増減率は直近10年間で徐々に低下している。平成18年に1%を切り平成20年には、わずか0.1%増にとどまりました。
新規開業と廃業の差引数つまり診療所の純増を見てみると、こちらも年々減少しています。平成11年の差引は1129、15年は1154、20年は83件となっています。
この背景の1つには、診療所の医師の高齢化が進んでいる事が上げられると思います。
これは全国的な見地に立っての事であるが、長野県の場合はどうであろうか。具体的な数値を把握してしないので紹介はできないが、どちらかと言うと診療所の密集度が上がってきていると思います。現在も新規開業を計画されている診療所がいくつかあると思います。開業候補地を探索しても良い場所がなかなか無いのが現状です。それだけ診療所が密集してきていると言うのが現状でしょう。診療圏調査をしてもほとんどと言って良いほど同じ診療科の施設と診療圏が重なっています。特に人口の多い都市程診療所が密集しています。そうかと言って開業を諦める訳には行きません。
そこで工夫が必要になって来ます。高齢者住宅とのセッティングや他の医療施設と隣接した開業パターン、そして居抜きの開業や事業継承などの提案となります。
これからの開業サポートで最も重要なポイントは開業場所の提供能力でしょう。
単純にあそこに良い物件が有ります、といった通り一遍な情報提供では役に立たなくなってきています。診療圏調査はもちろんの事、前述したようにこれからの地域包括ケアシステム体制を念頭に入れることや、福祉施設との連携などを意識することが必要になってきています。開業を意識されている方はできるだけ開業候補地の幅広い提案能力があるサポーターと一緒に開業準備を進めることをお勧め致します。
医療タイムス紙 平成25年4月1日 掲載