25年度税制改正のチェックポイント②
前回に引き続き、今回も平成25年度税制改正のポイントをお伝えさせていただきます。
紙面の関係でご質問の多い事項についてのみとなっている点ご了承いただければと存じます。
☆個人所得課税の主な改正
○最高税率の引き上げ(平成27年1月1日から)
現行の税率構造課税所得1,800万円超は40%の税率に加えて、課税所得4,000万円超については45%の税率が創設されます。
○住宅ローン減税(平成26年から4年適用期間の延長)
消費税率が上がる時期に対応して期間が延長となります。認定住宅(長期優良住宅・低炭素住宅)を取得した際の最大控除額を500万円、それ以外の住宅を取得した際は400万円に拡充されます。
☆資産課税の改正
○相続税の基礎控除の縮小及び最高税率の引き上げ(平成27年1月1日から)
現行の基礎控除額5,000万円+1,000万円×法定相続人の数から、4割減となる3,000万円+600万円×法定相続人の数に引き下げとなります。また、税率構造が見直され、最高税率が50%から55%(6億円超に対して)に引き上げられます。
○贈与税の税率の見直し(平成27年1月1日から)
最高税率が相続税率と同様に引き上げられる一方、子や孫への贈与の場合、一定額を超えますと税率が緩和されます。
○相続時精算課税制度の摘要要件の見直し(平成27年1月1日から)
贈与する方の年齢要件が65歳以上から60歳に引き下げられ、対象者に20歳以上の孫が追加されます。
○教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置の創設(平成25年4月1日から27年内まで)
30歳未満の子や孫等に対する教育資金を一括贈与した場合、1人ごとに1500万円までを非課税とする制度が創設されます。贈与後教育資金として、使い切らなかった金額については贈与税が課税される等の条件が付いています。
○消費税増税の経過措置
平成25年10月1日(指定日)の前日までに工事請負の契約を締結した場合には、完成引き渡しが平成26年4月1日(施工日)以降でも消費税率は5%で課税となります。同様に平成27年4月1日(指定日)の前日までに工事請負の契約を締結した場合には、引渡しが平成27年10月1日(施工日)以降でも消費税率は8%で課税となります。リース契約の場合は、契約時は上記のルールも適用されますが、契約締結後、施行日までにリースが開始されなければ経過措置は適用されません。また指定日以降に金額等変更があった場合には経過措置は適用させません。なお指定日以降に契約したリース契約は施行日の前日までは旧税率、施工日以降は新税率となります。
今回は所得税、資産課税、消費税の改正について述べさせていただきました。高額所得者への税金を増やし、資産をお持ちのご年配の方々は次の世代の為に積極的にお金を使っていただきましょうという改正となっております。
来年度は消費税率の改正前となりますので住宅や設備投資等、高額な投資を検討される先生方も多いかと存じますが、改正に合せて無理をされるのではなくしっかりとしたライフプランや事業計画を策定していただき、それに沿う形で実行していただければと存じます。
医療タイムス紙 平成25年3月20日 掲載