既にご存じの方も多いかと存じますが、平成25年度の税制改正大綱が1月に策定されました。
内容は課税の適正化を目的としており、近年では最大規模となっております。
中小規模医療法人や個人事業の医療業に関連しそうな改正のポイントを簡単にまとめますので、是非一度ご確認いただき、今後の経営に活かしていただければと存じます。

☆　法人課税(個人事業の所得税含む)の主な改正(法人は25年4月1日以降開始の事業年度より適用、個人事業は26年分から予定)

○　所得拡大促進税制の創設
雇用者に対する給与等支給額が平成25年4月1日以降開始事業年度より5％以上増えていることや前事業年度の給与等支給額を下回らないこと等の要件を満たしますと給与等増加額の10％の税額控除が認められます。

○　雇用促進税制の控除限度額の拡大
税額控除額が増加雇用者数1人あたり20万円から40万円に引き上げられました。
※　所得拡大促進税制と雇用促進税制は選択制となります。どちらも控除税額の限度は法人税額の10％(中小企業等は20％)となります。
　　
○　交際費の定額控除限度額の拡大
現状では資本金等の額が1億円以下の法人には年間600万円までは90％の経費
化を認められていましたが、改正により年間800万円までに引き上げられ、かつ全額が経費化されることになりました。

※　適用期間は平成25年度末までに開始される事業年度に限られています。

○　商業・サービス業・農林水産業活性化税制の創設
建物附属設備(1台60万円以上)又は器具・備品(1台30万円以上)を取得した場合に特別償却30％及び7％の税額控除(法人税額等の20％が限度1年繰越可)が認められます。ただし、前提条件として、商工会議所や認定経営革新等支援機関等の法人による経営改善等の指導を受けている事が条件です。

○　生産等設備投資促進税制の創設
事業用の生産等設備を購入し要件を満たした場合は特別償却30％及び3％の税額控除(法人税額等の20％が限度)が認められます。
※　上記の税制は医療法人や医療業が該当するかどうか、生産設備等に含まれる機器等、現時点では不明瞭な点がございますのでご注意下さい。

税制改正大綱に基づき2月28日時点での情報で記載しておりますので、実際の法令上の取扱い等、不明瞭な部分がある点はご了承いただければと存じますが、法人や個人事業主には、人の雇用や交際費、設備投資等で積極的にお金を使いましょうという改正になっております。今後の経営計画の際にご参考になれば幸いです。

　次回は個人所得課税や資産課税等を中心にご報告します。

医療タイムス紙　平成25年3月10日　掲載