お知らせ

小規模企業共済制度

 昨年末には節税対策について多くのご相談をいただき、その際にお奨めすることが多かったのが小規模企業共済制度でした。すでに加入されている先生方も多いと思いますが要件を満たせば将来は元金以上に受取れ、掛金については全額所得控除となり節税効果が高いことが魅力です。

 ところですでに加入の先生方も、共同経営者の方も加入できるようになったことをご存じでしょうか。要件を満たしていればご一緒に勤務しているご家族も加入でき、新たな節税となります。今回は共済制度についてポイントを絞って解説いたします。

 まず小規模企業共済とは、個人事業主や小規模法人(※1)の役員が掛金を積み立て、退職制度に備える制度です。(※1小規模法人に医療法人は含まれません)。運用母体は国が全額出資している法人なので信頼度も高く、約120万人の方が加入しており、掛金は月額1,000円から7万円の範囲で自由に選ぶことが出来ます。
 魅力である将来の受取金額と節税額ですが、例えば、課税所得600万(税率30%)の方が掛金月額3万円、30歳で加入し60歳で退職した場合ですが、掛金累計1080万円に対して退職金として受け取る金額は1304万円(運用増加額は224万円)、30年間の節税額は所得税、住民税合わせて約320万円と大変大きな金額となります。
 
 次に新たに加入できるようになった共同経営者についてです。共同経営者としての要件に「事業の重要な業務執行の決定に関与していること」という項目があります。私が知る医院長夫人は、銀行借入、スタッフ採用、取引業者との折衝と経営部分を一手に引き受けている方もいらっしゃいますので、まさに共同経営者に相応しいと思います。医師や看護師などの資格を有し給与額が高いご家族の方には有効な節税となります。

 加入を検討される際に、医療法人の役員の方は加入できないこと、個人医院の事業主の方も医療法人へ組織変更をするとその時点で共済が解除となることにご注意ください。

 紙面上途中解約のデメリットや、加入要件等が十分記載できておりませんので、検討される際には中小企業基盤整備機構 HP(http://www.smrj.go.jp/kyosai/index.html) にて加入手引きを確認下さい。

医療タイムス紙 平成25年2月10日 掲載