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消費税申告の判定基準

 今回は医療機関にあまり馴染みのない「消費税」についてです。「消費税」というと2014年4月から消費税率が8%になるという印象が強いかもしれません。しかしすでに行われた改正でも重要なものがあります。今回は消費税を申告・納税すべき事業者となるのかの判定についての基準期間の改正についてお話しします。

 従来、消費税は1事業年度で自由診療収入や予防接種などの消費税課税売上高が1,000万円を超えると課税事業者となり、超えた事業年度の翌々事業年度の申告より消費税の申告、納税を行います。この際、当該事業年度1年間で1,000万円を超えているかが判断基準となっていました。
 医療機関の収入で考えると保険診療収入は消費税非課税売上です。自由診療収入、予防接種、健康診断、行政からの収入などは消費税課税売上となります。最近ですと、子宮頸がんワクチン、インフルエンザ予防接種の増加から課税事業者となる医療機関が増えています。
 
 11年6月の改正では事業年度開始から6カ月間の課税売上高が判定基準に加わり、基準を超えている場合にはその次の事業年度から課税事業者となり、消費税申告をしなければならなくなりました。13年1月以降始まる事業年度から対象となりますので、判定の期間は12年1月から始まる事業年度ということになります。
 たとえば14年1月から事業年度が始まる場合には13年1月から6月までの期間の課税売上高が判定基準となり、基準を超えた場合には翌事業年度である14年1月から始まる事業年度の決算において消費税の申告を行わなければなりません。
 判定基準は以下のいずれかにより判定し、両方の条件を満たした場合には翌々事業年度でなく、翌事業年度から消費税課税事業者となります。

①事業年度開始から6カ月間の課税売上が1,000万円を超えた場合
②事業年度開始から6カ月間の人件費の金額が1,000万円を超えた場合

 この判断を怠ると、各種届出を出さなければならない期限に出せなくなり、税務上不利になってしまうことがあります。

 消費税は今後も複雑化していくことが予想されますので、専門家とご相談の上対策されることをお勧めします。

医療タイムス紙 平成25年1月20日 掲載