お知らせ

接待交際費・現物給与シリーズ①

 2012年4月から製薬会社がMRの接待費の上限を設ける自主規制を開始しました。先生方からは今後は自分(医師)達も接待交際費を出し合わなければというお話を伺う事も多くなりました。
今回は改めて接待交際費の税務について、Q&A方式でまとめてみましたのでご参考いただければと存じます。

☆接待交際費の基本を教えて下さい。
 接待交際費とは個人事業主及び医療法人が、お客様や仕入業者、医療関係者等、事業に関連する方々に対して飲食代や贈答品を贈る等のいわゆる接待等を行った場合の費用の総称です。
<個人事業>全額が必要経費として認められます。
<医療法人>一般的な医療法人の場合は支出金額の90%まで、かつ年額600万円までが上限として経費(損金)として認められます。例えば、中小法人の年間接待交際費額が650万円だった場合は540万円までは経費として認められます。つまり、600万円を超える50万円と600万円の10%である60万円、足して110万円が経費として認められないことになります。(※平成25年4月1日から平成26年3月31日までの間に開始する事業年度は定額控除限度額が年800万円に拡大されるとともに、定額控除限度額に達するまでの金額の損金不算入額が“0”とされました。措法61の4①)
※出資金の額や持分の定めの無い医療法人の場合には、計算方法が異なる場合がございますのでご注意下さい。

☆医療法人の飲食費の一部が接待交際費から全額経費の会議費となると聞きましたが条件はありますか?
①得意先、仕入先などとの接待の為の飲食費であること
スタッフのみの飲食は含まれません。飲食費にはお弁当代等も含まれます。
②一人当たりの金額が5,000円以下であること
一店舗ごとに計算します。計算方法は参加人数÷飲食費です。
5,000円を超えますと全額が接待交際費となります。
ゴルフ等に伴う飲食費は接待交際費となります。
③年月日、参加した相手及び氏名・関係、参加人数、金額並びに所在地が記載されている書類を保存していること
領収書が無くても上記の事項を明記した書類があれば認められます。
なお、消費税を含めて計算するかどうかですが、経理処理が税込経理か税抜経理によりますので、こちらは顧問の会計事務所等にお聞き下さい。

☆院内のスタッフだけの飲食費はどうなりますか?
 忘年会など大半の職員が参加し、かつ常識的な範囲の出費であれば接待交際費ではなく福利厚生費となるでしょう。ただし、一部のスタッフだけで行った二次会費用等は接待交際費となります。
ちなみに残業しているスタッフのための弁当代は福利厚生費となり、職員会議、商談の際のお茶菓子・弁当代、喫茶店等で行った商談や打ち合わせのコーヒー代、通常の昼食代等は会議費となり接待交際費にはなりません。

医療タイムス紙 平成24年6月1日 掲載