長野県産材CO2固定量認定制度
平成24年4月より長野県において「長野県産材CO2固定量認定制度」が実施されます。これは県産材を出来る限り多く利用することにより、地球温暖化防止に貢献し地域の環境保全に寄与すること、更には地域の森林整備が促進されることを目的とするものです。
木材は吸収したCO2を自身に蓄える「炭素の固定化」を行っています。木は植林されてから建築資材として使用できるようになるまで約50年を要します。その成長の過程で木はCO2を吸収し中に封じ込めています。これを「CO2の固定化」と呼びます。例えば自動車1台が一年間に放出するCO2は約2300㎏、これは50年生の杉約160本が一年間に吸収するCO2量に相当するそうです。
住宅や家具に木材を利用することは、CO2の固定量が増えて地球温暖化防止に貢献する、地球にやさしい行動になることを意味します。
また木材は住空間の中で、様々な恩恵をもたらしてくれます。木の香りはリラックス効果があり、防ダニ効果もあります。また熱の伝導率が低く他の建築資材より暖かみや優しさを感じることの出来る素材です。
本年度から実施される制度は、県産材を使用した住宅・事業所等の木質化や家具等の木製品が認定の対象になります。もちろん病院や診療所の建築やリフォーム工事も対象になります。
対象になるものは、①県産材を5㎥以上使用した個人住宅や事業所の新築工事および2㎥以上使用したリフォーム工事②県産材を1㎥以上使用した店舗や事務所の木質化などです。
認証された住宅や事業所などには、使った県産材の量に応じ「CO2固定量や森林整備貢献面積を表示した「認証証書」を発行してくれます。これにより県産材を使用することを「見える化」して環境への貢献度が具体的に評価されるようになります。
高齢化が進む社会において、「安心に住むことの出来る街づくり」は急務な課題です。医療施設や介護施設はその街の中核として位置づけられるべき施設であり、その社会的存在価値が更に高まっていくことは間違いありません。
木の家は第2の森林とも言います。今後の街づくりがより環境に優しく安らぎのある森づくりたる様に、これを機会に施設の新築や改築の検討をされる際に、地元長野県で育った木を出来るだけ多く使用することを検討されることをお勧めいたします。
医療タイムス紙 2012年5月1日 掲載