繁忙期、スタッフの不満は大入り袋導入で笑顔
先生方からご相談いただく内容で非常に多いのがスタッフ問題です。先日も診療所の先生から「患者数が多いことで問題が起きた」とご相談をいただきました。先生のお話では、患者数が多い日は忙しすぎて、受付事務が先生に無断で患者さんを断っていたとのことです。そのまま発覚していなかったらと思うとぞっとします。患者数が多いことは経営者側から見れば喜ばしいことですが、スタッフ側からするとそれだけ忙しくなるのが悩ましいところです。
内科、小児科では予防接種の時期、耳鼻科では花粉症の時期など一時的に季節変動により患者数が増加する診療所では同じような「患者数増加=スタッフの意欲低下」という話をお聞きします。また、スタッフ数が少なく常に忙しい診療所なども同様の悩みをお持ちのようです。
そのようなときにご紹介するのが「大入り袋」です。単純な対策ですが導入している診療所のスタッフの反応は概ね良好です。1日の目標患者数を設定してそれを超えたら大入り袋を支給する方法です。忙しくても頑張れば自分にメリットがある、とスタッフがやる気を出してくれるすそうです。大入り袋の金額は500円や1,000円と高額では有りませんが、厳しい1日が終わった後で現金入りのポチ袋をもらうと皆さん笑顔になるようです。
ちょっとした工夫でWin-Winの関係にしたいものです。
支給のポイントは
①その日のうちに支給する
②現金で支給する
③〇人を超えたら〇〇円支給など、明確なルールを定める。
④目標患者数を再設定できるように③のルールは期間を定めておく。
注意点ですが大入り袋で支給した現金もスタッフへの給与として扱われますので、これにも所得税がかかります。渡す時にはそのまま渡しても結構ですが、月給を支給する際に大入り袋で支給した分を前払い分として扱い所得税を差し引くことを忘れぬようご注意下さい。
医療タイムス紙 24年3月1日 掲載