確定申告時の棚卸
個人で事業を行っている方の確定申告と言えば、特にご注意いただきたいのが棚卸しです。今回は税務調査でチェックされる棚卸しのポイント、実際に棚卸しをする際に誤りやすいポイント等をご紹介致します。
まず医療機関ではどのようなものが棚卸しの対象になるのでしょうか。
薬品、診療材料(レントゲンフィルム、ガーゼなど)、販売用の物品(松葉杖、歯ブラシ)、貯蔵品(切手、はがき)等です。
税務調査の際にチェックされるポイントは次のようなものがあります。
①12月末に購入された薬品は、棚卸し表に記載されているか
②高額な商品の棚卸しが漏れていないか
③歯科医院では技工所へ預けている金属は記載されているか
棚卸しをされる従業員さんには、これらの点を注意するようにご指導いただくと良いと思います。
また実際に棚卸表を作成する際の誤りやすいポイントは以下の通りです。
①1箱に多数入っている薬の場合は、箱を開けたものは集計しない→箱を開けて使い始めた薬品も、残量を数えて記載します
②薬品の単価は診療報酬の薬価で記載してしまっている→納入価での記載となります
③消費税抜きの単価と消費税込みの単価を混ぜて記載してしまっている→多くの医院では消費税込みでの集計となります。ただし、消費税を納めている医院では税抜き処理を選ばれている場合もありますので顧問税理士へご確認下さい
最後に、今年の棚卸しは順調に進められていますでしょうか。棚卸しの作業時間を短縮する2つの方法をご紹介致します。
①継続して使用する薬品の名称については一度パソコンの表計算ソフトなどでデータにしておく
②実際に数量を数えるのは年内最後の診療後となりますが、在庫になりそうなものは、前もって単価を調べておく
来年の棚卸しの参考にしていただければ幸いです。
医療タイムス紙 平成24年1月1日(日)掲載