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税務調査前にそろえておきたい書類

税務調査の連絡があり、必要書類を準備するものの不足書類があり慌てて作成する。そのような状況にならないため、税務調査が来ていない余裕のあるときにこそ税務調査で必要となる書類を確認するなどして万全の備えをしたいものです。必要書類は多くありますが今回確認をしていただきたい書類は「議事録」と「契約書」です。

 議事録は個人の医療機関では必要ありませんが医療法人では必要となる書類です。社員総会や理事会で決議された事項は議事録として記録を残さなければなりません。議事録が一枚ない事により税務調査の際に大きな問題となる事があります。
 例えば毎月経費として計上している役員報酬ですが、これについては毎年役員報酬の年間支給限度額を決議した議事録、また、支給額を変更した際には誰にいくら支給する事となったかを決議する議事録が必要となります。これらの議事録が作成されていなかった事で役員報酬を否認される可能性もありますので作成、保存されているか過去に遡って確認することをお勧めいたします。

 また、まれなケースですが、役員に退職金を支給した場合には、支給金額を決議した議事録が必要となります。役員退職金は高額となる事が多いため忘れずに作成して保管を行ってください。

 もう一つ確認をしていただきたい書類は契約書です。医療機関では様々な契約書が保管されていると思いますが、その中でも不動産の賃貸契約書をご確認下さい。例えば医療法人が院長個人の建物を賃貸して使用している、このような場合の不動産賃貸契約書は作成されていますでしょうか。税務調査では確認されますので作成が必須となる書類です。一般の賃貸契約と同じように契約書をご用意されていると思いますが再度確認をしておきたいものです。

 夏から秋にかけては税務調査が盛んな時期となります、いざというときに余裕を持って対応できるようにご準備下さい。

医療タイムス紙 平成23年10月20日 掲載