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医療法人で保険加入2

 前回「保険の経費算入」というテーマで、医療法人成りする際には、個人で加入している保険を、法人へ名義変更することをお勧めしましたが、今回は変更を検討する際のポイントについてご紹介致します。

 医療法人制度は平成19年に改正があり、改正以降に設立された先生の多くは             基金拠出型医療法人を設立していることと思います。基金拠出型医療法人は、             医療法人を解散する際に残余財産が医療法人の手元に残っていても先生方が             拠出された金額を超える部分は国等に帰属してしまうというデメリットがあります。医院の後継者がおらず法人で保険金を受け取った後に解散する予定の方は、残余財産が多額になりすぎないように注意が必要です。

 保険を法人に名義変更する際のポイント
  ①損金処理できる保険か確認する                                          (全額損金、1/2損金など様々なタイプがあります)
  ②役員退職金の額に留意
  ③相続税の生命保険金非課税額                                           (500万×法定相続人数)分は最低でも個人に残す

②の役員退職金で税務上損金(経費)として認められる額の目安は                    以下の通りです。
退職金=退職時の適性役員報酬月額×勤続年数×功績倍率(2~3倍)

たとえば法人名義で医院長に死亡保険をかけていて、医院長が亡くなったため             保険金が法人に下りてきた場合を考えてみましょう。医院を閉める場合、受け取った保険金で、医院の様々な支払いを済ませ、スタッフや、医院長、他の役員にも退職金を支給します。したがって退職金の計算を予めしておくと、残余財産が残らないような適正な保険金額の設定ができるようになります。

基金拠出型医療法人の場合は特に、残余財産額の試算をし、どの保険を法人契約にするべきか考える必要があります。保険会社からのアドバイスに加え、税務の専門家へも相談し、数年おきに見直しすることをお勧めします。

医療タイムス紙 平成24年8月10日 掲載