再生可能エネルギー
昨今、自然エネルギーを利用した低炭素社会実現への関心が高まっています。(平成23年)国会では「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法案(再生エネルギー特別措置法案)」が審議され成立しました。
この「再生エネルギー特別措置法案」の大きな特徴は、①再生可能エネルギーから作られた電気を国が定める固定価格で、一定の期間、電力会社が買い取ることを義務化(全量固定買い取り)、②太陽光・風力・水力・地熱・バイオマスを利用した再生可能エネルギー源を対象とし、買い取りに要した費用は消費者や企業が電気使用量に応じて負担(発電促進付加金)という点です。この法案は来年七月に施行の見通しであり、(この法律は平成24年7月1日に施行されました。)再生可能エネルギー普及への追い風として期待されています。
医療法人等にとって、光熱費は経営を大きく圧迫する経費です。「太陽光発電システム」など発電した電力を長期安定して売電できる「再生可能エネルギーシステム」を導入することは、法人の経費削減に大きく期待できるものといえます。
例えば「太陽光発電システム」導入を検討しますと「計画→現地調査→設計・見積もり・発電シミュレーション→契約→補助金申請→施工→竣工検査→運転開始」といった流れとなります。この流れのなかで、特に気を付けるべきことは「施設と立地環境の特徴をきちんと理解して計画をする」ということです。具体的には、建物構造・屋根形状・屋根材の種類・劣化具合などを入念に調査し、日照状況などを勘案した上で最適な太陽電池モジュールを選定することが重要です。私が経験しました案件の中でも、日照時間の短い立地環境のため不採用としたケースや「太陽光発電システム」より「太陽熱温水システム」を設置した方がトータルの光熱費削減に効果があったケースもありました。
病院や診療所は、開業時は様々な想いの中で建設されております。そのコンセプトを汲み取り、建物や立地環境を充分に観察した上で、その特性に合わせた形での「施設効率化の再構築」を図って頂きたいと思います。
医療タイムス紙 平成23年9月1日 掲載