生命保険のコスト
前回の診療所のコスト削減に引き続き、今回の削減テーマは「生命保険」です。
生命保険は生涯の中で住宅や教育資金と同様に大きな支出であるといわれ ます。生命保険は必要な保障額をできるだけ安い保険料で契約したいものです。
ある先生から相談事例のケースで見直しを考えてみましょう。先生は万が一の際に事業の借入金が家族に残らないこと、お子さんが無事大学を卒業できるように学資の備えとすることの2点を目的とした生命保険にご加入されていました。
保険契約を確認するとそれは1億円の保険金が20年間保障される「定期保険」でした。しかし必要保障額を考えると借入金残高は返済に伴って減少し、お子さんの学資資金も、お子さんが大学を卒業するまでの年数が減るほど減少してゆきます。そもそも家族構成や環境の変化がなければ必要保障額は年とともに減少してゆくのが普通です、従って資金繰りが厳しい中で、20年後まで1億円の備えは過剰ともいえます。
そこで、先ほどの定期保険を「逓減保険」という保険金額が年々減少してゆくタイプに切り替える検討を行いました。こちらにすることで毎年の必要保障額と保険金額を近づけることができ保険料を節約することができました。
実際、定期保険で毎月33,600円の支払いであったものが、逓減保険に切り替えることで16,200円になり半額以下の金額となり、年間で208,800円コスト削減となりました。(さらに、健康に自信がありタバコを吸わない方は割引があるのでさらに保険料を削減することができます)
生命保険は診療所経営のリスクヘッジに大きな役割を果たします。一方では長期間にわたって高額な支出となる事も事実です。従って保険契約の見直しは大きなコスト削減に繋がる可能性があるため是非お勧めいたします。
医療タイムス紙 平成23年7月1日 掲載