リース契約のコスト
現在、「社会保障費と税の一体改革」として消費税を段階的に10%へ引き上げる論議が行われています。消費税の引き上げによるコストの増加が診療所経営に与える影響は大きく、この改革案の行く末が気になるところです。
これを契機に診療所のコストの見直しをしてみてはいかがでしょうか?
診療所のコスト削減というと薬品の納入価が思いつきますが、その他の継続的に支払われる経費についての見直しは意外と行われていないのではないでしょうか。そこで今回から数回に分けてコスト削減についてご紹介いたします。
初回はリース契約について取り上げてみたいと思います。リース契約は医療器械や車両など高額な物品を導入する際に用いることが多いのですが、リース料は同じ物品であっても契約するリース会社によって支払うリース料が異なります。多くの方は販売業者より紹介されたリース会社と契約しないといけないと考えがちですが、必ずしもそのようなことはありません。従って契約時には複数社からリース料の見積もりを取って比較、検討をしたいものです。特にリース契約は基本的に途中解約ができないため契約時の検討が重要となります。また、契約期間終了後の取り扱いについても事前に確認しておくと良いでしょう。
毎月の差がわずかでも長期期間支払うことで支払総額に大きな差が出ることもあります。医療器械の中には長期間にわたって使用可能で、入れ替えのサイクルが非常に長いものも
見受けられます。このようなリース期間よりもはるかに長く使用できる医療器械については自己資金や借入による資金調達で購入する事も一考です。一つ一つの削減額は大きくなくても、長期間にわたって支払う経費や定期的に購入するものであれば年間での削減額はまとまった金額になります。収入を増加させる対策と併せてコストの見直しも実施する事をお勧めします。
医療タイムス紙 平成23年6月20日 掲載