地震のリスクに備える
大震災を機に地震保険についての相談を受ける機会が増えました。
今回は地震保険の特徴を改めてご紹介させていただきます。
〇地震保険とは?
・地震や噴火、これらによる津波等を原因とした火災・損壊・埋没・流失等の損害を補償します。これらの損害は地震保険に加入していないと補償されません。
・加入方法としては、火災保険加入時にセットで加入するか、後から追加して加入することができます。
・住宅(住居用賃貸物件含む)と家財が対象となりますので、診療所や医療機器等も含む事業用資産、自動車は補償の対象外となります。
・診療所や事業用資産の補償は火災保険に特約を、また、自動車は車両保険に特約を付ける必要があります。一部の保険会社では、上記特約の加入の引き受けを中止しており、個人事業の診療所も加入が中止されていますが、震災にあっていない住居併用診療所や、法人会に加入している医療法人なら加入できる保険会社があります。(23年5月末現在)
〇どの程度の補償?
・保険金額は主契約である火災保険金額の30~50%の範囲内となります。上限は建物で5,000万円、家財(貴金属など一つ30万円を超えるものは対象外)で1,000万円です。
・建物は基礎、柱、壁、屋根等の主要構造部の損失状況により、家財は家財全体の10%以上の損害が最低条件となり、それぞれの状況によって支払われる保険金が決定されます。
〇支払う保険料は?
・長野県の地震保険料はどこの保険会社で加入しても同額で、年間で保険金1,000万円あたり鉄骨・コンクリート造6,500円、木造12,700円となっています。長期契約や耐震構造かどうか等で保険料の割引制度があります。
〇その他のメリットは?
・所得税で地震保険料の全額(最高5万円)、住民税で地震保険料の1/2(最高2万5千円)の所得控除が受けられます。
その他、各種共済でも地震等の備えができます。特に住宅ローン残高の多い方などは加入をお勧めいたします。皆様も一度ご検討されてみてはいかがでしょうか。
医療タイムス紙 23年6月1日 掲載