23年度人口動態調査
平成23年度3月現在の人口動態などが総務省より発表されました。
東日本大地震により報告出来ない22の市町村を除いての調査結果です。
まず全国の人口は昨年に引き続き減少です
平成22年 1億2706万人 ⇒ 平成23年 1億2623万人
と82万人の減ですが、データがとれない震災エリアを勘案すると約12万人の減です
一方世帯数は調査開始以来毎年増加しており
平成22年 5336万世帯 ⇒ 平成23年 5354万世帯
と核化が進行していることが解ります。
一番の問題は生産人口(15歳から65歳未満人口)の減少です
年少人口(14歳以下)は毎年減少、
老年人口(65歳以上)は毎年増加し構成比は22.83%になりました
少子高齢化・核化・人口の逆ピラミッドの流れに歯止めがかからない状況です。
このまま進行すると、国が言う2025年問題(団塊の世代が75歳以上になる2025年に老年人口が全体の3分の1になる)は本当に実現してしまいそうです。3人に1人が高齢者の時代が来る事を意味します。
データを詳細に観ていくと、我々の住む長野県は更に心配になってきます
以下長野県のデータです
平成22年度 216.1万人 ⇒ 平成23年度 215.3万人
人口減は約7770人
中でも問題は自然増加数(出生数-死亡数)です。
昨年の出生数が17263人に対し死亡数は23676人と自然増加数は△6413人と全国で5番目に自然増加の少ない県になっています。
老年人口は構成比26.35%と全国で7番目に高が、生産人口について長野県はその構成比が60%と全国で5番目に低い県です。(ちなみに一番高い東京は67.6%。)
1世帯の人口構成員については1世帯あたり2.63人と全国8位となっています。これは長野県は高齢者比率は高いが核化はあまり進行せず、高齢者が同居する家族が多い事を意味します。
長野県は医療面では一人当たり高齢者医療費が全国で最も低い県としてモデル県として取り上げられます。データで観れるように高齢者数も多いが、その内の多くは比較的元気で家族同居で暮らしているという事です。
しかし将来を見据えるとデータから観る問題は山積です。
特に生産人口の減少です。
生産人口は文字通りモノを生産していく力ともいえます。県の民力にも大いに関係する指標でありますので、これが低いという事は県の経済的・社会的発展のポテンシャルが低いという見方も出来てしまいます。
就業が可能な高齢者の雇用の問題も含め検討が必要です。
また将来を見据えた出生数の増加対策も喫緊の課題ではないでしょうか。