借地で開業するならご注意を。
以前に開業をお手伝いした時のお話しです。
開業を計画した先生は気に入った土地を見つけ、地主さんから20年の定期借地でこの土地をお借りする事となりました。
賃料や保証金などの打合せの際に、土地に抵当権がついていないか地主さんにおうかがいしたところ、抵当権はついていないとのお返事。
その後、契約直前にお借りする土地の登記簿謄本を確認すると、付いていないと思っていた抵当権が付いている!これはマズイ・・・
どうやら地主さんはご自身が営む事業の銀行借入金のために抵当権を付けた事をすっかり忘れていたようです。
急遽、抵当権を外していただくようにお願いして、抵当権を外していただいてから賃貸契約を結びました。これで安心して開業できます。
さて、今回の出来事、何が問題であったかというと、先生が診療を続けられなくなるリスクがあったという事です。
地主さんが抵当権を設定した土地を先生がお借りして診療所を建てて診療を開始、しかし、運悪く地主さんの事業が不景気により倒産、地主さんに貸付をしていた銀行が抵当権を設定した診療所の建っている土地を競売に掛けて第三者に売却。
という最悪のケースの場合、新しい地主さんが先生との賃貸契約を継続してくれない場合は先生は診療所を取り壊して出て行かなければなりません。
先生の診療所が絶好調でも、地主さんが借金を払えなかった事が原因で先生の診療を継続できない・・・
というリスクがあったのです。
抵当権が設定されていない土地であれば賃貸契約をしても問題ありません、このような民法上の問題はなかなか複雑ですね、土地の契約については必ず専門家に見てもらうようにお勧めします。