地域包括ケア2025ビジョン
「地域包括ケア研究会 報告」を読みました。
これは、平成24年から始まる第5期介護保険事業計画の計画以降を展望し、地域包括ケアシステムの在り方やシステムを支えるサービスについて具体的検討を行うため、有識者をメンバーとする研究会を数回にわたり開催し策定された報告書です。
報告書の中では来る2012年の医療保険制度・介護保険制度の同時改定の方向性を見定める上で、いわゆる団塊の世代が75歳以上になる2025年(3分の1が65才以上になる)の医療介護のケア体制をイメージしています。いわゆる「医療介護地域包括ケア体制の2025年ビジョン」です。
報告書の中では2025年の地域包括ケア体制を効率的に提供するための「各サービスの提供体制の在り方」「人材の役割分担」等などが克明に謳われています。
特に重要視している事項は
1、自助、互助、共助、公助とあるように自立支援型マネジメントのあり方と地域コミュニティー形成の重要さについて
2、在宅サービスの充実
24時間の訪問介護・看護の重要性
リハビリテーションの重要性
3、在宅としての高齢者住宅の必要性
4、医療・介護従事者の役割の分担の明確化
である。
中で興味深いのは、2025年の役割分担のイメージです。
<医療職>
医療の専門家である医師・看護師については医療の機能強化の観点から、急性期病院に重点的に配置されている。併せて、訪問看護時において看護職員がより自律的に医療に携われる様になっている。
<介護職>
要介護者に対する基礎的な医療的ケアについては、医師・看護師との連携の下、介護についての国家資格を有する介護福祉士が担っており、介護の現場において、基礎的な医療ケアが提供されている。
・・・・・
となっています。
要するに看護師は医師の仕事を、介護福祉士は看護師の仕事をという風にひとつ上の職務の実行が可能になっていることです。
もちろんそれには資格制度の見直し、それぞれの職能の在り方の見直しが必要ですが・・・。
超高齢化社会を向かえ、もちろん専門的・高度医療は別にして、これからの医療・福祉はますますボーダレス化し、「出来る事は出来る人でやる」時代が来るのでしょうか。