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ナイチンゲール病棟が復活?

ナイチンゲール病棟
かの有名なナイチンゲールは、実は大変優れた「病院建築家」であったそうです
彼女が考案した「ナイチンゲール病棟」が、今見直されているとのことです

「ナイチンゲール病棟」とは19世紀後半にイギリスをはじめ西欧で多数建築された近代的病院病棟のスタイルをいいます
典型と言われるのが聖トーマス病院で、この病院は病棟の入り口が廊下から一箇所に限られ、大部屋へ通じる入り口廊下の両側には婦長室・リネン室・配膳室・手洗い付個室などが並び、大部屋は縦長の窓をはさみ片側に15床が並ぶのだそうです
医師・看護士と患者との関わりを効率的にするため、病院中央はデイスペース・ナースステーションに設計されていたとのことです
さらに患者一人当たりの療養空間にも着目し、ふさわしい面積(約6畳)やベッド間の距離も具体的に定めたそうです

でも何故今「ナイチンゲール病棟」なのでしょう?

昨今、病院建築では、患者の権利とかプライバシー性が重要視され「個室化」が進んでいます。ある意味患者は医師・看護士から見えずらい場所へと入ってしまっているわけです
反面、今、医師・看護士などの不足が大きな問題になっているのが現実です
これでは手厚い医療や看護の提供が難しくなるのは当然のことです

そこで注目されているのが「ナイチンゲール病棟」なんです
イメージは病床の中央部に医師・看護士が位置し、何時でも・何処からも患者が見える病棟です
当然現代ですから大部屋といってもプライバシー性には十分配慮もしますが・・・
少ないスタッフで効率的に手厚く患者をサポートする体制が可能になるわけです

ナンチンゲール病棟は大部屋といっても各ベッドには一つづつ窓があり、それが天井まで伸びて開放感もあったとのこと
更には縦長の窓の上部を開け放つと、病室の空気はいつでも外の自然の空気と同じ新鮮さに保たれるように設計されていたそうです

患者それぞれの医療ニーズも異なり、なかなか検討すべき問題は多いですが、「ナイチンゲール病棟」が今後の病院建築に大いに参考にすべきものであることは間違いありません