老人福祉・介護事業倒産が過去最悪のペース
介護保険施設や有料老人ホームなど「老人福祉・介護事業」の倒産が相次いでおり、過去最高のペースとの事です。(医療介護CBニュース・東京商工リサーチ調べ)
調べによると、福祉施設などの倒産は5月までに12件発生し、介護保険制度がスタートした以降最多との事。負債総額も100億に迫っているそうです。
併せて「介護事業所」の倒産も5月までに5件発生しており、負債総額は3億を超えるとの事です。
介護保険制度の改正に伴った「居住費(ホテルコスト)・食費の自己負担化」「ケアマネ・ヘルパーなどの人材難」が大きく起因しているとの見方が体制であるが・・・・。
一方、医療市場の拡大する中、逆に中小病院など医療機関の倒産も年々増えてきている。
「大病院への集中化」「医師不足・看護士不足」「医療報酬の引き下げ」などが大きな要因と考えられている。
先日ある老人施設を視察する機会がありました。まず驚いたのが施設のあまりの立派さです。不必要なほどに広い空間と贅沢ではないかと思える程の充実した設備、池には立派な鯉まで・・・。聞いてみると国や市からの補助金を○○円程度使えたから出来た施設との事。補助金とは本来は必要な施設やサービスにかかるコストを補うのが主旨のはず、これでは補助金が贅沢さを演出されるために使われているようなもの。これなら補助金など使わなくとも、充分に同様のサービスの提供は出来るのではないかと思えました。
病院や福祉施設などの事業収支は医療保険制度・介護保険など定められる制度により大きく左右されてしまいます。同様に施設建設に補助金など制度資金を当てにして事業計画をしていた場合、補助金制度が変わったり、無くなったとすると事業計画自体が無意味なものになってしまいます。
確かにこのところ、医療保険制度・介護保険制度の度重なる改正など、医療や福祉を取り巻く環境変化は本当にに厳しいものがあります。
しかし倒産を余儀なくされた病院や福祉施設などの多くには、制度に凭れ掛かかり過ぎた面もあるのではないかとも思えます。
簡単に言えることではありませんが、
制度に翻弄されることのないように変化を先読み出来る「力」、制度が変化しても維持出来る「力」、
『自力』をつけるための地道な努力が必要なんだと思います。