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昨年度、福祉施設の平均施工単価は63万円

 福祉施設の平均施工単価は、2008年3月期データによると、この1年間で坪当たり2万4000円上昇し、坪当たり63万8000円であったとのことです。(日経アーキテクチャー建築市場動向調査)

 また08年3月期の施工単価について07年12月期と比べると、坪50万未満の低額物件の割合は10.1パーセント増えて、坪100万以上の高額物件の割合は1.0パーセントに減ったとのことです。平均施工単価は5000円の上昇です。
 
 03年の平均施工単価を地域別にみると、関東が坪72万6000円、中部76万1000円、関西78万7000円とのこと。西高東低の傾向が歴然です。
 直近の3ヶ月間をみると関東が70万7000円、中部65万2000円、関西70万2000円とのこと。

 このところ、原油の値上がりによる建設資材の値上がりは物によっては20パーセントを越えているのですが直近3ヶ月データは各エリアとも坪単価が下がっているのはちょっと意外です。 

 いずれにしても、医療保険・介護保険ともにマイナス改定が続き、この傾向は今後も続くことが予想され訳で、各施設が建設費を抑えたいと考えるのは当然の事です。しかし資材の高騰など建設を取り巻く環境はより厳しくなることも予想され、このねじれ現象は当分続くのでしょう。

 医療施設・介護施設は地域の中で、ある意味公共施設的な役割を担います。建物に「安全で堅固であること」が求められるのは当然のこと。施設基準も厳しくなることはあっても緩くなることはありえません。建設単価は必然に上昇してきます。

 仕様などを標準化すればコスト削減も可能ですが、この世界も競合もかなり厳しくなってきているため、利用者に選別されるための差別化も重要なポイントになる訳で、どうしても一品生産的な建築になりやすいのが昨今の傾向でもあります。

 「標準化」と「差別化」  「高品質」と「ローコスト」  この両立・・・・・・
 本当に難しいテーマですね。  

 真剣に取り組んでいきます!