消防法改正! 小規模施設にもスプリンクラー義務付け
来年4月より社会福祉施設に関する消防法の一部改正が行われます。
変更点は主として3つで、グループホームなど小規模社会福祉施設を対象に設置義務が生ずる、スプリンクラー、自動火災報知設備、消防機関へ通報する火災報知設備のそれぞれについて、実情に即した設置方法や機器構成などの細目が設定されました。
これは2006年1月に長崎県大村市の認知症高齢者グループホームで発生した、死者7名、負傷者3名が出る火災事故えお重く受け止めたもの。既に2007年6月に消防法施工例・消防法施工規則を改正し、火災発生時に自力で避難することが著しく困難な高齢者が入所する社会福祉施設の安全対策の強化が図られています。
特定施設水道連結型のスプリンクラーの設置については、今回の改正で、設置義務のある施設の面積を従来の1000㎡から275㎡に引き下げられました。より小規模な施設にもスプリンクラーの設置が必要になります。耐熱性の確保を図るため、配管を天井裏に設置することや、高い天井に設置する場合は煙感知器と連動させる事が求められます。
自動火災報知設備については、建物の内部構造や逃げ遅れ防止のため、必要な場所に別途感知器を設ける事が求められます。
消防機関へ通報する火災報知設備については、緊急通知装置を活用し、必要な性能を確保する事ができるシステムを基準化することが義務付けられます。通報の呼び出し音に火災報知機と同じ音を追加すること、肉声によって火災発生の場所、電話番号の情報を蓄積できるといった、火災通報装置と整合する機能が求められます。
当研究所におきましても、依頼されている小規模施設の建設計画がありますが、来年からの改正を前倒して本年より実施する事も検討もしており、当初の予算組みではスプリンクラーなど設置しない計画だったものについては、再度設計のやり直しおよび積算業務を行っています。
介護保険・医療保険ともに報酬がマイナス改定され続ける中、またスタッフ不足を補うための人件費を上げざるを得ない状況のなか、施設の建設にかかるコストは最も大きいものです。
建設資材の高騰するなか、施設の安全性とローコスト化を、どの様に整合するか、今後の大きな課題は山積です。